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定額給付金の2兆円があれば「宇宙太陽光発電所」が建造できる
政府は、国民1人当たりに1万2000円(18歳以下と65歳以上には8000円を加算)給付するとしている。これが、「定額給付金」で、国民としては、何であれもらえるものはありがたいといったところだろう。
なぜ、国はそのようなことをするのだろうか。一番の目的は国民の消費を促すことだ。
今、日本だけでなく世界が金融危機におちいっていることは言うまでもない。日本は外需依存なので、現在のように極端な円高が続くと、企業の損失も拡大しやすい。企業が赤字になると、やむを得ずリストラなどを行い、生産性を落とす。また、国民も将来の不安から消費を控える。すると、ものが売れなくなって、ますます、景気が悪くなってしまう。このように、誰も買わなくなるから物価が下がり(デフレ)、物価が下がると企業は儲けが減るから、さらに規模を縮小するという繰り返しになってしまう(デフレスパイラル)。
これだけは何としても避けたい。そこで、国民に消費を促すべく、「定額給付金」を国民に配ろうということになったのだ。
だけど、あなたは、定額給付金をもらったら、ものを買うだろうか。実は、ほとんどの国民は、お金をもらっても、なかなか消費には回さず、貯蓄してしまう。仮に、定額給付金が直接預金できないようなものであっても、そのお金で生活必需品を買ったら、本来、使われるはずだった現金を貯蓄に回すので、結局消費は増えない(普段以上の買い物をしなければ意味がない)。アメリカなら、貯蓄より消費の国民性から、有効に機能するかもしれないけど、日本人は消費より貯蓄の国民性だ。効果はそれほど期待できないだろう。
事実、1999年に給付された「地域振興券」がそうだったのだ。特に、今回のような100年に一度とも言われる金融危機の下においては、国民の不安も一段と強く(経済に対しても、政治に対しても)、さらに、無意味なものになってしまうかもしれない。
じゃあ、需要を拡大するためには、どうしたらいいのだろうか。
もっとも手っ取り早いのは、公共事業を増やすことだ(※1)。多くの人は、公共事業というと、ハコモノに代表されるような「ムダづかい」を連想してしまうかもしれない。だけど、そうではなくて、将来に向けたインフラを整備する公共事業が今必要なのだ。例えば、電線の埋設とか、地上波放送のケーブル化とか、下水道の整備など。あるいは、WiMAX全国カバーを目指してもいい。
また、さらに未来を考えるなら、高レベル放射性廃棄物の地層処分場建設とか、各地に太陽光発電所を建設したりと、とにかく、「環境にやさしく」というスローガンを掲げて、ありったけの資金を使えば、国のGDPは増え、技術も発達するだろう。
また、定額給付金で使われる2兆円ものお金があれば、「宇宙太陽光発電所」が建造できてしまう。それほどのお金を国民に配布しようというのだから、もったいない気もする。
- 予算総額1兆円超、米国防総省が宇宙太陽光発電所の開発計画案を公表 :Technobahn
自分は、宇宙人が攻めてくれば、世界が一致団結して平和になると考えている。と、いうのは冗談だけど、地球温暖化とか、人口爆発とか、世界が取り組むべきテーマはいくらでもある。それらの対策につながるようなインフラは決してムダにはならないはずだ。
「宇宙太陽光発電所」を作って欲しいのは"本音"であって"提案"ではない。2兆円という規模の大きさを示したかっただけ。「そんなのタイトルに入れるな」と言われそうだが、すでに遅かった。
定額給付金は「ムダを削って国民に返還する」と思っている人もいるかもしれないが、これは単なる「税金の還付」だ。だから、たとえそれが直接国債を発行するものでなかったとしても、減らされた部分を補うために、結局、国債は増えることになる(正確には国債を減らすための金を取り崩す)。これは後々、税でまかなう他ない。つまり、定額給付金は刺激になったとしても、中長期の景気対策にはならない(※1)(当初の目的は、景気刺激ではなく、原油や食料品価格の高騰で落ち込んでいた家計の支援だった)。
また、「実際の効果よりも"即効性"が重要だ」なんて言う人がいるが、2008年内に支給どころか、2009年になった今でも具体的にいつ支給されるのかすら決まっていない。これでは定額給付金はすでに失敗しているといわれてもしかたがない。
- 社説:定額給付金 支離滅裂な施策はやめよ :毎日新聞
- 埋蔵金、一体いくらだったの? :JBpress
脚注
※1.近年の経済学の認識としては、財政政策は、経済成長を促すものではなく、景気対策にはならないとされている(※2)。しかし、外生的な需要(輸出)の落ち込みを補填する財政拡大は、意味があるという意見もある。
- 「日銀引き受けで25兆円支出増」という思考実験――パンドラの箱を開ける :ダイヤモンド・オンライン
※2.財政政策を行うためには、お金が必要だ。そういうとき、国は国債を発行して資金を得る。
しかし、国債を発行し過ぎると、国債の価格が下落し、同時に国債の利回りと市中金利(預金金利や貸出金利など)が上昇する。
金利が上昇すると、企業は(返さなければならない金額が増えてしまうため)銀行からお金を借りづらくなる。しかし、現在のようなゼロ金利の状態においては、この問題は発生しない(流動性の罠)。
問題があるとするなら、国債発行で円高が進むかもしれないということだ。国債の利回りや市中金利が上昇すると、海外から資金が流入する(高利子の国債などを欲しがるため)。そして、多くの人が円を買うため、円高が進むのだ。すると、(日本製品の価格が上昇するために)輸出が減り、ますます企業は苦しくなる。特に日本は外需依存なので、その影響は大きい。そうなると、不安な株式から安全な国債へと資産がシフトしてしまうため、民間への投資が鈍くなる。また、過剰な財政政策は民間企業の成長と競争を妨げてしまう。
- クラウディングアウト :Wikipedia
- 国債の値段(価格)が上がると金利(利回り)が下がり、価格が下がると利回りが低下するのはなぜですか? :man@bowまなぼう
- 難儀な国債発行 :JBpress
このように、財政政策は必ずしも経済を活性化させるものではない。
あとがき
更新間隔が1ヶ月を超えると、さすがに死んだかな?とか思われかねないので、これからは、もうすこしまじめに更新しようと思う。



