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大麻について
最近、有名大学の学生が、大麻の所持、及び栽培を行っていたとして、逮捕される例が相次いでいる。
そんな大麻について、いろいろと調べてみた。
結論から言うと、大麻に致死的な毒性や強力な依存性はない。医学書「メルクマニュアル」(1999年)にも以下のように明記されている。
大麻の使用は薬物問題ではあるが、その毒物学的意味は不明である。
〜中略〜
マリファナを批判する人々は有害作用に関する数多くの科学的データを引き合いに出すが、重篤な生物学的影響があるとする主張の大部分は、比較的大量の使用者、免疫学的、生殖機能についての積極的な研究においても、ほとんど立証されていない。メルクマニュアル
- 大麻(マリファナ)類への依存:薬物使用と依存 :メルクマニュアル 第17版 日本語版
また、イギリスの医学雑誌「ランセット」に掲載された論文、「Development of a rational scale to assess the harm of drugs of potential misuse(薬物の害を評価するための合理的な尺度の開発)」(2007年)でも、大麻の害はアルコールやタバコよりも低いとされている。ちなみに、この害とは、急性・慢性・静脈注射を含む「身体的な害」、快感の強さ・精神依存・身体依存を含む「依存性の害」、酔っ払いによる事故や犯罪・医療コスト・その他の社会的害を含む「社会的な害」の3種9項目を総合したもの。
- カナビス(大麻)と他のドラッグとのリスク比較 :カナビス・スタディハウス
また、ハーバード大学経済学部ジェフリー・ミロン客員教授は、「The Budgetary Implications of Marijuana Prohibition(マリファナ禁止法の予算上の意味)」(2005年)で、大麻をアルコールのように、課税して管理した場合、取り締まりの経費の節減と税収入の増加で毎年100〜140億ドルの財源がうまれると試算した。このレポートに、ミルトン・フリードマンなど3人のノーベル経済学賞受賞者を含む500人の経済学者が署名した。ちなみに、ミロン教授は、大麻だけでなく、ヘロインやコカインを含むすべてのドラッグの合法化を主張している。なぜなら、莫大な費用をかけて続けてきた100年に及ぶドラッグ戦争が完全に失敗しており、ドラッグの生産量は減少するどころかむしろ増加しているからだ。イギリスの著名な政治経済誌「エコノミスト」も、世界の麻薬がらみの死者が年間6000人以上に上ること、麻薬の産業規模が見積りで年間約3200億ドルに達していることを指摘して、ドラッグ全体の合法化を主張している。
- マリファナ禁止法は失敗 :カナビス・スタディハウス
- カナビス合法化を主張する リバタリアン経済学者ジェフリー・ミロン :カナビス・スタディハウス
- 麻薬戦争を終わらせる方法 :JBpress
目次
大麻の人体への影響
大麻は精神を錯乱させたり、凶暴化するなどと言われることがあるが、各国の多くの研究機関がそれを否定している。ちなみに、日本においては、大麻の臨床試験が禁止されているため、国内で大麻の人体への影響を研究している専門家はいない。ゆえに、大麻の人体への影響を報告するデータも無い。
- メルクマニュアル 第17版 日本語版における大麻に関する記述 :カンナビスト
- 大麻 :Wikipedia
- カナビス・スタディハウス
大麻は摂取方法によっては、人体に多少の害を及ぼす。大麻を燃焼させてその煙を吸引する方法では、煙に含まれるタールや一酸化炭素なども同時に摂取してしまうからだ。しかし、メルクマニュアルには、「常用者でさえ,閉塞性気道疾患を発生することはない。マリファナしか吸っていない人においては肺癌は報告されていない」とある。なぜなら、大麻はタバコと違って継続的に、かつ、大量に喫煙されることがないからだ。フィルターを通して吸われるタバコよりも発癌率が低いのはこのためである。
- カナビスの煙とガン :カナビス・スタディハウス
- なぜカナビス喫煙は タバコ喫煙よりも癌のリスクが低いのか? :カナビス・スタディハウス
大麻の主な陶酔成分であるTHCの毒性は極めて低く、過剰摂取による急性中毒死はまずない。そのため、経口摂取やヴェポライザー(大麻を加熱して、THCなどを気化させる装置)を利用すれば、これら健康への心配はまったくない。ただし、経口摂取の場合、時間差で効果があらわれるため、摂取量をコントロールすることが難しい。大麻を過剰摂取すると、吐き気や嫌悪感、不安感などをもよおすことがある(バットトリップ)。
大麻の一時的な身体への影響は以下を参照。
- カナビスを吸うとどうなるか :カナビス・スタディハウス
大麻は運動機能の低下をもたらすため、自動車の運転に影響が出る。しかし、実際には、大麻が自動車事故のリスクを大幅に上げるというデータはない。なぜなら、大麻酔いは判断力や高次の認知機能に影響を及ぼさないため、ドライバーは自身の運動能力が低下していることを自覚し、運転を行わないか、減速などで対処すると考えられているからだ。
- カナビス酔払運転の科学・論理的検証 :カナビス・スタディハウス
医療分野から見た大麻は、偏頭痛や関節炎といった疼痛(慢性痛)、欝や強迫性障害といった精神疾患、神経障害、吐き気など、幅広い疾患に有効である。また、癌やエイズの化学療法からくる嘔吐や鬱、体重減少等の副作用を抑える効果もあり、多発性硬化症や繊維筋痛症などの難病に対しても有効であるといわれている。その他にも、癌の進行を抑制する効果や、認知症やパーキンソン病、アルツハイマー病の予防効果を示唆する報告もある。致死性は皆無で、副作用もほとんどない。また、食欲増進効果もあり、基礎体力向上が望める。医療目的の大麻喫煙については、「煙害」というデメリットがあるが、一方で、「患者自身が効果を実感しながら摂取量をコントロールできる」、「手軽に使用できる」、「すぐに効果が現れる」などのメリットも多く、海外ではこれを医療に利用しようとする動きが活発になってきている(煙害は許容されている副作用の範囲内)。ちなみに、ヴェポライザーを利用した場合、煙害はない。
- カナビスとカナビノイドの臨床応用 :カナビス・スタディハウス
- カナビスと脳に関する最新の研究 :カナビス・スタディハウス
- 医療大麻 :Wikipedia
精神依存・身体依存もアルコールやタバコに比べて低く、使用量が増加したり、依存症になることはまれである。また、多量使用者に見られる離脱症状は不眠や神経質程度の比較的軽微なものである。
一部の医師などは、大麻を長期常用すると「大麻精神病」と呼ばれる精神疾患を発症すると主張している。メルクマニュアルにも、統合失調症発症者が大麻を摂取すると、抗精神病薬で治療中であっても症状が悪化するとある。しかし、それは大麻が精神病リスクになるという意味ではない。事実、大麻使用者が重度の精神病を発症するのは極めて稀であり、そのリスクは大麻を使用しなかった場合と比較しても大して変わらない。また、大麻使用者数の増加に対して、精神病発症者がそれに比例していないことも、大麻が精神病に与える影響は少ないとされる理由のひとつである。万が一、精神病を発症した場合でも、人によって症状がまちまちで、その多くが他の精神病にもあてはまるため、大麻が原因であると判断することが難しい。そのため、「大麻精神病」という疾患は確立されておらず、現在でも"仮説の病態"にすぎない。
- 統合失調症は5000人に一人 カナビスの健康リスクは増えてはいない :カナビス・スタディハウス
- カナビスの単独使用による精神病のリスクはほとんどない :カナビス・スタディハウス
- 直接の因果関係はあるのか? :カナビス・スタディハウス
- 大麻精神病 :Wikipedia
ゲートウェイドラッグ理論
ゲートウェイドラッグ理論とは、踏み石論ともいわれ、「大麻を使用した人は、さらに強力な効能を求めて、覚醒剤にも手を出す」という仮説である。
しかし、近年の複数の研究機関による比較的大規模な調査によって、「あるドラッグが、別の特定のドラッグの起点となることはない」という結果が示されている。そもそも、大麻も覚醒剤も同じ違法薬物なのだから、「大麻→覚醒剤」という順序を経なければいけない理由など無い。また、大麻がゲートウェイドラッグとなるなら、アルコールやニコチンもゲートウェイドラッグになっているはずだろう。しかし、現実には(大麻よりも陶酔性が高い)アルコールを摂取したからといってヘロインを欲しがるような人はいない。
大麻がゲートウェイドラッグになっている本当の理由は、
- 違法薬物に興味を持ちやすい性格から、大麻だけでなく覚醒剤へも手を出すから
- 大麻入手のために売人と接触するため、覚醒剤も入手しやすくなるから
- 大麻が覚醒剤の入門薬として、社会的に認知されているから
以上の3つだ。これは、大麻が違法だから起こることである。もし、大麻ではなくて、アルコールが違法だったなら、やはり、アルコールが覚醒剤のゲートウェイドラッグになっただろう。ゲートウェイドラッグ理論を検証するには、このような社会的要因も考慮しなければならない。
たまに、これを無視して、「覚醒剤乱用者のうち何人が大麻喫煙者だったか」というような検証が見られるが、それならば、「大麻喫煙者のうち何人がタバコ喫煙者だったか」という検証も行えば、「覚醒剤のゲートウェイドラッグはタバコである」という"有意"な結果が得られるだろう。
このように、ゲートウェイドラッグ理論は、薬理学的に、大麻に含まれる"ある成分"が覚醒剤を欲しがるような(極めて特殊な)性質を示さない限り、矛盾した理論であることは自明である。あたりまえだが、そんな都合のよい成分など発見されていない。
- 大麻:踏み石論 :Wikipedia
- カナビスはゲートウエイ・ドラッグ :カナビス・スタディハウス
- ゲートウエイ理論の終焉 :カナビス・スタディハウス
「ダメ。ゼッタイ。」の大麻の説明について
実は、厚生労働省の外郭団体、(財)麻薬・覚せい剤乱用防止センターで説明されている大麻についての情報には、各国の研究機関の発表と異なる記載が多く、その信憑性が疑われている。また、大麻が「犯罪の原因となる」とか、「白血球が減少する」などと明記されているが、日本国内において、大麻を原因とする二次犯罪、および、大麻による重度の疾患の発症などは一例も報告されていない。これは毎年のように数多く検挙されている重度常習者の存在と矛盾する。
- 薬物データベース 薬物別解説/大麻について :麻薬・覚せい剤乱用防止センター
- 検証「ダメ。ゼッタイ。」ホームページ :大麻取締法変革センター
- 「ダメ。ゼッタイ。」の大麻に関する見解には根拠がない ―情報公開請求から明らかに :カンナビスト
ちなみに、この説明文の参照元はすでに判明している。この説明文は、15年以上も前のアメリカの薬物標本(現在は非売品)の説明書を丸々翻訳しただけのものである。つまり、ここに記載されている情報はどこかの研究機関によって発表されたものでも、独自に調査したものでもない。
- 日本の公的大麻情報の正体 :大麻取締法変革センター
- 「大麻汚染」報道と公的大麻情報 :JanJanニュース
なぜ、このホームページがいつまでも改善されないのか。その理由は、ニコニコ動画に投稿された大麻取締法変革センターの白坂氏と、麻薬・覚せい剤乱用防止センターの冨澤専務理事の対話から聞くことができる。
メルクマニュアルの大麻の有害性を示唆する記述について
わざわざ解説するほどのことでもないのだけど、メルクマニュアルには大麻の有害性を示唆する記述もある。その記述を作為的に取り上げれば、「大麻の危険性はメルクマニュアルにも記述されている」などとすることも可能だ。メルクマニュアルがこのような書き方をする理由は、医師が読むことを前提としているため、あらゆる危険性や可能性ができる限り記述されているからだ。
それらの記述を、ひとつひとつ見ていく。
必ずしも依存性と有害性は一致するものではない。本来、有害といわれるほどの依存性というのは、「やめたいのにやめられない」といった、強迫的なものを指すのであって、多少の依存性は健康に害を及ぼさない。メルクマニュアルは、この記述の後に「大量使用されたり,やめられないという訴えが起きることはまれである」として、大麻の強迫的依存性を否定している。さらに、「多くの使用者に依存という言葉はおそらく当てはまらない」「この薬をやめても離脱症候群は全く発生しないが,多量使用者は薬をやめたときに睡眠が中断されたり神経質になると報告されている」とあり、大麻の依存性、禁断性、耐性は決して高くないことがわかる。
夢幻様状態(dreamy state)とは、てんかん発作の前兆としてみられる状態のひとつで、夢心地に近い。ぼんやりとした状態、酩酊状態、半覚醒状態ともいえる。この記述から精神錯乱や凶暴化に結びつけるのは飛躍した意見だろう。実際に、精神錯乱や凶暴化は50年以上にわたるあらゆる研究において否定されている。
前述のとおり、アルコールほどではないが、大麻喫煙後の運転は危険である。
この特徴が唯一医学的に認められる大麻の危険性だ。しかし、この記述から、「大麻が精神病の原因になる」とするのは無理がある。前述のとおり、大麻常習者が統合失調症を発症させるという明確なデータや統計は無く、大麻精神病というものは確立されていない。
この記述の直後に「(〜気道変化を起こす)が,その意義は不明である。常用者でさえ,閉塞性気道疾患を発生することはない。マリファナしか吸っていない人においては肺癌は報告されていない」とある。ただし、「気管支組織の生検はときに前癌性変化を示しているので,癌が発生することはある」とあるため、発癌性は否定していない。
直後に「この所見は確証待ちである」とある。少数サンプルのため、断定することはできず、あくまでも可能性の域を出ない。前述のとおり、最近の研究においては、むしろ認知症やアルツハイマー病の予防効果すら示唆されている。
注意
この記事のソースのほとんどはカナビス・スタディハウスかWikipediaによるものだが、その理由は海外の大麻の情報を日本語に翻訳して紹介しているサイトがほとんどなかったため。なので、より詳細な情報は、カナビス・スタディハウスやWikipediaがリンクしている出典を参照してほしい。



